唐突ですが私・Sionには小さい頃からかかりつけ医がありました。先生1人、看護師兼薬剤師兼受付が1人、待合室は5人も座ればいっぱいの小さな内科。近所の人がだいたい風邪か食当たりで診てもらう程度の。先生はもう随分前に他界され、現在その内科は存在しません。ただ半世紀生きてきて、人並みには色々な病院を受診した私が断言できること。その内科で出された薬(院内で乳鉢で調合していた)ほど効く薬は他にない。さらにそんな小さな医院で、難しい病気を診てる訳でもないのに、先生の記入するカルテは全部ドイツ語でした・・・。真の実力、というものを子供心に感じました。そしてドイツ語、っていったらこの内科と、このバンドを真っ先に思い出す。そう本日10月3日は「ドイツ統一の日」!というわけで本日ご紹介するのは、ネーナの『ロックバルーンは99』です!
ネーナは女性をリード・ボーカルとしたドイツのポップロック・バンド。80年代に活躍し、日本では一発屋の印象が強いですね。このころ『ロックバルーンは99』とか『ハイスクールはダンステリア』とか、原題と関係なく『〇〇は△△』みたいな並列タイトル多かった記憶が・・・。で、「ロックバルーン」て何よ? 結論として特に意味は無いみたい(笑)。原題では『99 Luftballons』。99個の風船て意味ですね。ポップ・ロックで元気が出る曲調なので、風船だしパーティーっぽい歌詞か?と思いきやとんでもない。水平線近くを99個の風船が飛んでいて、それを見た国のお偉いさん方がUFOか何かの侵略と勘違いし威嚇射撃して、それに驚いた隣国までもが応戦して、大戦の末世界は焼け野原になり、ただひとつの風船が漂っているだけ・・・という、シュールかつSFっぽい反戦歌なんですよ。こんなブラックユーモア的な歌詞が作られたのも、この曲リリース時の1983年、世界は冷戦時代でドイツはまだ東西に分断されていたという背景があります。ふとしたことで平和が損なわれるかもしれない危機感。現在だって世界大戦が全く起きないとは言い切れません。音楽には時折こうして社会問題を考えるきっかけを与える力がありますよね。この曲は当時珍しいドイツ語の歌詞で発表され、ビルボードチャート2位を記録する世界的大ヒットとなりました!
そして何と言っても話題となったのが、ネーナのボーカルのキュートな容姿と、ノースリーブからはみ出た脇毛(笑)。元々海外の女性って、日本人ほどムダ毛を気にしないというのは聞いたことがあります。スポーツ選手なんかでも、脇の処理してない人がいたような気が。セクシーな衣装と相まって、当時の男性はこれを見てわいわい騒いでたなー。非常に発音しにくいドイツ語といい、いろんな意味でカルチャーショックを目の当たりにできた1曲です! Check It Out!

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