「多重ボーカル」をご存じですか? コーラス隊を使わず、歌手が全てのハモリパートを歌い、あとでミックスして一つの曲に仕上げる。重厚なハーモニーにしようと思えばそれこそ、何テイク録るんだよ!ってほど歌わなきゃならない。気の遠くなる作業です。音域も広くないとだめだしね。日本では山下達郎さんがあの名曲『クリスマスイヴ』などでこの手法を使われています。達郎さんの場合はリードボーカルのみの部分もあるんですが、一曲まるまるが多重、いや発表してる曲全部が多重!なのはこの人くらいでは? というわけで本日ご紹介するのはエンヤの『Orinoco Flow』。
妖精のような歌姫・エンヤは北欧アイルランド出身。分野で言うとニューエイジやヒーリングミュージックと言われていますが、もう世界観は「エンヤ」としか言えない(^_^;)。それくらい独特の雰囲気が彼女を包んでいます。自身の声を何重にも録音して作り上げる癒しの音楽はCM起用も多数。2001年に竹野内豊さん主演映画『冷静と情熱のあいだ』のサウンドトラックに使われるなど日本でも絶大な人気を誇っています。音楽界では今まで何度か「パクリ騒動」なるものが起こったりしましたけど、彼女の音楽についてはその心配は無し、唯一無二の音ではないでしょうか。
ネット上ではエンヤのメドレーが「作業用BGM」としてよく上がっています。確かに聴きやすく作業の邪魔をしないタイプかも知れませんが、一度この曲を人気のない自然の中でひとり聴いてみてください。まるで別世界にいるような、妖精でも見えるような気がしませんか? Check It Out!
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